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俺の話を聴け

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走ることについて語るときに俺の語ること30

マブダチの整形外科医は10枚近くあるMRIのフィルムをすごいスピードで見た。
一枚のフィルムに10カットくらい膝の映像が映っている。

バサバサとフィルムをめくっていたが、そのうちの一枚を抜き出すと、机の前の投射板にチャッとはさむと俺に説明をはじめた。

うーん、半月板に小さい亀裂もあるんだけど・・・

だけどなに!?

それより問題はここなんだよね。

どどどどこなのよ!!??

医者が指差す箇所を俺は食い入るように見つめた。
当たり前だが何がなんだかちっともわからん。

ほらここが白くなってるでしょ。

骨挫傷といって半年はランニング禁止だね。

タメぐちドクターはあっさりとこう言いやがった。

は、は、半年っていうと6ヶ月より長いの??

これじゃまるで千両富に当たった八五郎だ。

俺は続けて医者に聞いた。

ウォーキングならできますか?

ウォーキングもだめだねぇ。

スクワットとかなら大丈夫ですか?

膝に負担がかかるスクワットもだめだねぇ。
とりあえず三ヶ月たったらまたMRI撮ってそれを診てみようよ。
ハイ、じゃ今日はこれで。お大事に。

医者は実に軽い調子でにこやかに俺にそう告げた。

半年走れない・・・

俺はやや呆然となった。

半年もの間、トレーニングはどうしよう・・・

医者は俺の質問にこうも答えていた。

水泳か水中ウォーキングならいいんじゃない。

水中ウォーキング・・・・

監視時代からプールでのウォーキングを俺はひそかに「死の行進」と呼んでいた。
黙々と水中を歩く人たちの姿に悲壮なイメージはあっても、トレーニングとはかけ離れたイメージだ。
トレーニングじゃなくてリハビリだ・・・

水中ウォーキングか・・・

俺はドクターストップがかかったトップアスリート、という役になりきって遠くを見つめた。

俺はかつて監視員をしていた温水プールに数年ぶりに行ってみることにした。


つづいてもいい?


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2009/05/24(日) 22:36:35 走ること トラックバック(-) コメント:1

走ることについて語るときに俺の語ること29

ドンガドンガドンガドンガドンガドンガドンガ
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
ギュウウウウウウウウウウウウウウウウウ

いろいろな大音響が重なって鳴り響く。
ヘッドホンからの音楽もまったく聞こえない。

こんなにでかい音立てなくちゃダメなの?
わざとやってない?

そんなことを考えてしまうくらい大きな音がする。

そんな騒音の中でも数分たつとやはり退屈してくる。
絶対に動かすなといわれた右足を、ちょっとだけ動かしたくなってくる。

そんなことしても結局困るのは俺なのに。
絶対に動かすなと言われると、動かしたくてたまらなくなる。

わかるでしょそんな感じ。

俺は気を紛らわせようとMRIの機械に注目する。
前面に大きくPHILIPSと書いてある。

そうかMRIはフィリップス社製なのか。
すると俺の右足はきれいにすね毛もそられちゃうのかな。

そんなことを考えながらひたすら大音響に耐え、じっと動かないでいる。

20分程度、といわれていたが俺には一時間くらいに感じられた。
ようやく撮影が終了しウンパルンパが部屋に入ってきた。

ハイお疲れ様でした。
そう言いながら手馴れた手つきで俺の右足を固定していた器具をはずしていく。

ロッカールームで着替えて再び陰気な廊下で待つ。


数分後、撮影されたフィルムを数枚渡された。
この時点で午前11時50分。

俺の診察をした病院の医師は午前中しかいない。

俺は会計を済ますとフィルムをひったくるように受け取り、ビーチクルザーを思い切り飛ばした。

マブダチのドクターがいる病院へ。

これじゃ膝に悪いじゃん。


すいません、つづきます。


2009/05/22(金) 23:54:54 走ること トラックバック(-) コメント:0

走ることについて語るときに俺の語ること28

恐る恐るドアを開けると、そこは狭いロッカールームのような部屋だった。
しゃっとカーテンを開けて、MRIの技師が入ってきた。

・・・チャーリーとチョコレート工場にでてくるウンパルンパにそっくりだ。
俺はカーテンの奥から他のウンパルンパがぞろぞろと出てきて踊りだすんじゃないかと思った。

このウンパルンパがいろいろと指示を出す。

俺に手術着のようなものを手渡すと、これに着替えろという。
広げてみるとぺらぺらの甚兵衛のようなものだった。

言われたとおり着替えると、昭和のお父さんの日曜日みたいな格好になった。

次に身に付けている金属製品をすべて外せという。
さらに体の中に金属はないかと重ねて聞いてくる。

ペースメーカーは付けていませんか。
はい。

骨をつなぐボルトのようなものは入っていませんか。
はい。

宇宙人に埋め込まれたチップは入っていませんか。
次はそう聞かれると思ったが、それは聞かれなかった。

脱いだ服と靴、時計や携帯、眼鏡も外しロッカーにいれ施錠する。
この鍵が金属じゃん!と思ったが鍵は預かるという。当たり前か。

この狭いロッカールームの壁には細かい注意事項が書かれていた。
金属製品を外せと繰り返しかかれているのは外の張り紙と同じだが、万が一金属製品を身に付けたままMRIを受けると火傷の恐れがある、などという恐ろしいことが書いてある。

いよいよMRIの部屋に入る。

馬鹿でかいドーナツの穴にベッドが突っ込まれているような機械だ。

俺はウンパルンパに指示されベッドに横たわる。
右ひざを固定され、絶対に動くなと念を押される。

撮影中は非常に大きな音がするらしい。
工事現場のような大きな音が約20分間続くという。

そしてナースコールのようなコードを渡された。

撮影中何かあって、中止したいときはこれを押してください。
どんなに大きな声で叫んでも聞こえませんから。ふふ。

事務的にさらっと言うだけに恐ろしさが際立つ。

防音のためにヘッドホンがかぶせられた。

なんだか低く陰気なクラシックが流れている。

じゃあはじめます。動かないでください。
ヘッドホンを通してウンパルンパの声が聞こえる。

静寂の間が数秒。

突然巨大ドーナッツから大音響が鳴り出した!



早くけりをつけたいこのシリーズ、さらにつづく。

2009/05/18(月) 23:53:38 走ること トラックバック(-) コメント:1

走ることについて語るときに俺の語ること27

MRIとはなんだ?

MAGNETIC RESONANCE IMAGINGのことである。
日本語で言うと「かくじききょうめいがぞうほう」である。
漢字で書くと、核磁気共鳴画像法。
要するに、核磁気共鳴現象を利用して生体内の内部の情報を画像化する方法である。

何が要するにだ、ちっともわからん。

どうやら強力な磁場で体のなにをあれしてあんなことしたりこんなことしたりするらしい。

理屈はよくわからんが、理屈抜きでなんだかちょっと怖い。


MRIの部屋の前にはなにやら恐ろしげな注意書きがでかでかと張り出してある。

命が惜しければこの扉を勝手にあけるな。
死にたくなければ金属製品をはずせ。
この世に未練があるやつはこの部屋に近づくな。

実際には少し違う文言だったような気もするが、このときの俺にはそう読めた。

ステンレス製の分厚い扉の向こうからは、地獄の底から響いてくる亡者たちのうめき声のような不吉な音が絶え間なく聞こえてくる。

廊下を隔てたMRIの部屋の向かい側はICU(集中治療室)である。
ひっそりとした廊下には、ICUに担ぎこまれた患者の家族たちがすすり泣く声がかすかに響く。

一階の待合室には患者があふれかえっていたのに、この階の廊下にはこの不幸な家族と俺だけ。

逃げ出したくなるような時間をひたすら耐える俺。


不意に恐ろしい声が廊下に響き渡る。

馬鹿オヤジ1号さーーーーーん。お入りくださーーーーい。

は、は、は、はぁーーーーーい。

見事に声が裏返った。


つづく


2009/05/15(金) 21:38:38 走ること トラックバック(-) コメント:0

走ることについて語るときに俺の語ること26

・・・ここがねぇ、ちょっとぎざぎざになってるんだよ。

俺より明らかに一回りは若いこの医師は、なぜか古い友人のような話し方をする。

うーん、とりあえずMRIを撮って、それからもう一度診せて。
この病院にはMRIがないから、○○病院に紹介状を書くからそこでMRIを受けたら、結果を持ってまた来てよ。

お前はマブダチか。

ややイラつきながらもここは医者の言うとうりにするしかない。

受付で○○病院のMRIの予約を取ってもらう。
二週間後の月曜日だ。

それまでに痛みが引いたらばっくれちゃお~かな。

そのときはそのくらいお気楽に考えたいた。

ところが二週間たっても痛みが引かない。
激痛というわけではないが、常に鈍痛を感じているのは非常にうっとうしい。


予約した月曜日、俺は紹介状を持ってMRIを受けにその病院を訪れた。

つづく






2009/05/12(火) 22:18:57 走ること トラックバック(-) コメント:1

走ることについて語るときに俺の語ること25

先月、膝の治療のためスポーツ障害では有名な整形外科に行った。

診察開始時間の10分前に受付をしたのだが、その時点で少なくとも50人以上の患者が待合室に溢れている。

30分後ようやく名前を呼ばれて診察室に入る。

医師の問診に、フルマラソンの後、痛むようになったと答える。

簡単な触診の後レントゲンを撮り、再度診察を受ける。


いやぁ、これはマラソンのせいじゃないですよ。年年、年のせい!

なんて言われたらどうしようと思いつつ神妙に医師の言葉を待つ。


うーん。水もたまってないし、骨にも靭帯にも特に異常はないようだけど・・・

と、ここで言葉が途切れる。

写真の一点を指差しながら医師が独り言かとも思えるような声でボソッと言った。

・・・ここがなぁ・・・


こ、こ、ここがどうなのよ!せ、先生~

つづく






2009/05/11(月) 21:32:19 走ること トラックバック(-) コメント:0
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