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俺の話を聴け

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防災訓練

このあいだ職場で防災訓練があった。
いつもより大掛かりで、消防署からポンプ車やはしご車もやってきた。
そして何の因果か俺は「高層住宅の7階からはしご車で救助される人」になった。
本来その役をやるはずだった職員が、7階という高さにびびったのか突然休みやがった。
そいつの代わりに俺がその役をする羽目になったわけだ。
前日に突然この話を聞いたとき、俺は真っ先に「・・・時間がない」と思った。
7階という高さへの恐怖でもなく、ましてや訓練参加のめんどくささでもなく、時間がない!と痛切に思った。
なんの時間かって?そりゃ「役作りのための時間」に決まってるでしょ。
俺が7階に取り残されたのはなぜなのか、どんなエピソードが隠されているのか、俺は最後でいいからこの女性を先に!などのせりふはどのタイミングで言うべきか、はしご車のゴンドラに乗りながら燃え上がる(想像)高層住宅を険しい表情で見上げるときの角度は何度がいいのか。
あー、もー考えなくてはならないことが多すぎる。
しょうがない、陳腐なストーリだがこれで行くか、と構想がまとまったのは訓練開始直前だ。

この高層住宅の設計士でもある俺は経費を削り続ける建築主とことごとく対立していた。
特に安全面では万全の設計をしたはずなのに、現場では俺の指示どおりの施工がなされていないらしい。
俺はこの話をかつてライバルでもあった正義感の強い現場監督から聞かされる。
俺は一番危険と見られている7階の施工を直接自分の目で確かめに行く。
するとやはり俺の設計ではありえないずさんな施工がされており、このままでは火災の危険さえあると怒りがこみ上げる。
そのとき案の定すぐ近くから火の手が上がる。
7階には数十人の住人が居る。すぐさま俺は住人を誘導し避難させる。
もう誰も残っていないかと7階に戻るとそこに泣きじゃくる男の子が!
早く逃げるんだ!でもポチが・・・見ると燃え盛る部屋の奥に悲しそうな声を上げている子犬が・・・
俺の設計したこの住宅で誰も死なせはせん!それが子犬一匹でも!
炎の中に飛び込む俺。煙と炎に巻かれながらも子犬を抱きかかえ廊下に飛び出す。
遠のく意識の中かすかに見えたのは、はしご車のゴンドラから飛び降りるレスキュー隊員だ。
この子と犬を頼む。俺は最後でいい。
俺の作ったこの住宅で誰も死なすわけにはいかないんだぁぁぁぁ・・・・意識を失う俺・・・

というバックグランドストーリーを、俺はゴンドラに乗っていた若い消防官に目だけで伝えようとした。
若い消防官はめんどうくさそうに「はーい、ゴンドラに乗ったら手すりにつかまってしゃがんでくださーい」と言った。
彼の声が心なしか上ずっていたのはきっと吹きさらしのゴンドラの上の寒さのせいではなく、渾身の演技がこめられた俺のまなざしに感動したからだと思う。
そうに決まってる。
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2008/03/10(月) 22:42:47 徒然 トラックバック:0 コメント:2
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コメント

仕事のひとつひとつを、こんなに楽しくする(妄想?)馬鹿オヤジ1号さんって・・・心から尊敬します!!防災訓練ですからいろんな想定をしないといけません。。そりゃ~誰も死なせてはいけません・・・・自分が意識を失っても・・・・→(サイコー)
  1. 2008/03/10(月) 23:22:31 |
  2. URL |
  3. くまゴロー #-
  4. [ 編集]

実は、妄想は俺のクリエイティビティを研ぎ澄ますためのトレーニングなんです。(うそ)
  1. 2008/03/11(火) 15:18:46 |
  2. URL |
  3. 馬鹿オヤジ1号 #-
  4. [ 編集]

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